価格 :\ 1,260 (税込)
著者 :福満 しげゆき
発売日 :2003-07
発売会社 :青林工芸舎
評価 :★★★★★ ( 3 のレビューがあります)
ジャンル :コミック
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :488379136X
21世紀のつげ義春という声も聞こえる、福満しげゆきの傑作短編集。
『まだ旅立ってもいないのに』・・・。もうこのタイトルからして素晴らしすぎるではないか。このタイトルが自分を表現するのに最適な言葉だと自認する人々にとっては、内容も哀しいくらいに最適であると断言してしまおう。
もてなかったり、友達が居なかったり、それ故に毎日毎日沈んだ気持ちで過ごしていたり、そのようなことをテーマにした漫画は今までにも沢山あったが、意外にもキャッチーさを持つ絵と、奇妙でいながらたまらなくやるせない、でもやっぱりおかしいキャラクターたちの描写は、超一級であるとすら思える。
個人的白眉は、『僕たちは残尿感を感じる為だけに生まれてきたんじゃない』かな。
つげ義春2世? いやいや福満しげゆき1世だ。
最後にこの漫画を愛する全ての人々に捧げる意味と、ぬけがけを兼ねて一言。
これは僕のために書かれた本だ。
現代を生きる人々が抱えている倦怠感、「どうしようもなさ」、滑稽
さ、そして少しの光(幸福とか希望とか)を独特のタッチで描いた、福
満しげゆきの初単行本。とにかく、「これはオレか!?」と思うくらいに共感できる、身近に感
じられる、理解できる。別に生まれが不幸とか顔が悪いとかじゃない。
だけど女の子の前だと上手くしゃべれなくて、部屋でひとりため息をつ
く。「はぁ〜あ、彼女欲しいなあ」。最近、オタクやダメ人間を描いたマンガには「ダメならダメで前向きに
いこう!」と開き直った作品が多いが、この作品の登場人物たちは違
う。決して「楽観主義」という言葉の利便性に頼ったりしない(頼るこ
とを知らない?)。それがまた「なんだかな〜」と笑える。読む人が読めば「こういうヤツらが社会をダメにするんだ!」と怒り出
すかもしれない。怒らせておけばいい。私に言わせれば、青年期特有
の、あの鬱屈とした毎日を否定する人間の方がよほど信用ならない。今後に期待できる若手マンガ家の一人。あとがきも味わい深い。
表紙を見てこの本に惹かれたあなた!間違いなくこの本はあたりです。表紙通りの内容です。躊躇することなく買うべきです! 私の好きな話は「僕たちは残尿感を感じる為だけに生まれてきたんじゃない」。私はこの青年にシンパシーを感じます。