価格 :\ 1,890 (税込)
著者 :呉 連鎬
発売日 :2005-03-19
発売会社 :太田出版
評価 :★★★☆☆ ( 7 のレビューがあります)
ジャンル :単行本(ソフトカバー)
ASIN :4872339304
オーマイニュースは、運営、記事への信頼性、「市民」の定義など、数多くの問題を抱えている。
一方で、オルタナティブ・メディア、市民参加ジャーナリズムを、理論だけでなく実践しているのは評価に値する。
でなければ、世界新聞協会に招待はされないだろう。
今後もこうした試みは世界中で行われるだろうし、また行われるべきだと思う。
それよりも気になるのは、この本の論調が、いわゆる「ベンチャー企業で成功した人」が自分達の事業について自画自賛する時の口調と全く同じであることだ。
仮にもジャーナリストを名乗るなら、企業形態の沿革、記事を選ぶ際の基準、記者に求めているものなどを、はっきり体系的に説明してもらいたい。
こんな文章しか書けない人間がトップだというのでは、記事内容にも疑問を覚えてしまう。
やっていることには☆3つ、口調で☆1つマイナスということで。
韓国現政権の生みの親を自負するオーマイニュースは、経営難から韓国政府の資金援助を受けることが最近公表されている(下記リンク)。
つまり、公式にノムヒョンの「御用新聞」となるわけで、決して「自立した市民が参加する」メディアではない。本書の内容も、あくまで自画自賛に過ぎない。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/08/09/20060809000057.html
オーマイニュースは盧武鉉当選の大きな原動力だった。
扇動媒体として大成功、さりとてそれが一国のみならず周辺諸国や世界の安全保障に悪影響を与えてしまったことを思えば、とても手放しに称賛はできない。
「善い行いをすると広言する人間は、よからぬ多数の人々の中にあって、破滅せざるを得ない(マキアヴェリ君主論第15章より)」
韓国でのインターネット新聞の成功物語。
確かに、広告料に70%頼っていたり、雑誌を出したら安定収入になったりと、ビジネスモデルでの画期的挑戦は「ない」といえる。
しかし、韓国のマスメディアを取り巻く保守的な姿勢に対し、
インターネットの双方向性・即時性をうまく生かした点の記述は
面白い。韓国民主党の予備選挙や、金ヨンサムの大学講義阻止事件
など、韓国や日本のような国土が狭いため画一的集中的な報道が
なされる国ならではの話題で、素人っぽく「実況中継」をした点が画期的だった。
ライブドアの堀江社長がいうような、「完全なるメディア(媒体)」
ではなく(もっともライブドアはこれをやってはいない)、プロの記者による「編集」を重視した、既存メディアの延長線上の試みがオーマイニュースといえる。
市民みんなが記者、という新聞の新しい形態として
成功している事例を知ることができる1冊。読者と編集陣における新聞紙面の双方向性の模索は
多くの新聞で行われている。当著で示された事例は
準備された市民やネット環境など実現のために必要
な要素もあり、日本でいまできるかはわからないと
しても、一つの方向性として参考になるような気が
する。また、韓国でも閉鎖的な記者クラブ制度があるとい
うお隣事情も新鮮に感じた。