価格 :\ 1,200 (税込)
発売日 :2007-11-26
発売会社 :青土社
評価 :★★☆☆☆ ( 15 のレビューがあります)
ジャンル :ムック
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4791701704
対談で暴走している金田女史の論文だけが、評論としての体を成していたと思います。あとはもう「自分語り」。
胃が弱い、交通事故で借金をした、そういう中で支えになった、それはわかるのですが、難しそうなコトバだけを連ねた「読書感想文」よりは金田女史の、真っ向からジョジョに取り組んだ評論は痛快であり、落涙を誘いました。
どれだけ痛切にジョジョの世界を我がことに引き寄せて味わっていても、それを「表現」として人様に見せられるレベルにしていなければ、それは作品へのリスペクトにはならないのではないか、特にお金をもらって発売される「商品」である以上は。
対談では荒木御大自ら「それはない」と言いながらも「それが新しい見方なら参考にしないと」とものすごく寛大で度量の広いコメントを残されていて、さすが一流のクリエイターは違う、と思いました。
どのような読み方をされようと、作品それ自体の偉大さが磨耗するわけではなく、金田女史の見方がどうあれ、彼女は「評論」できていることに納得しました。
ジョジョは語るものではなく、読み、味わい、感動するもの。
だけれどもやっぱり「これすごいんだぜ!」とどうしても誰かと分かち合いたくなる。
「開かれた心」をどのくらい自分の中で学ぶことができるのか、が自分は一番大きなジョジョからもらった宿題だと思っています。
そういう意味で、自分は金田女史と鬼教官を高く評価したいと思いました。
この本のメイン企画であろう原作者との対談はジョジョを愛していれば愛しているほど読まないが吉。
荒木先生自信に腐女子がヤオイ的な妄想をぶつけている。
自重できていない腐女子にはうけるかもしれないが私は耐えられなかった。
それ以外は各界のジョジョラー達の熱い思いや考察など愛が見える。
ジョジョ立ちの写真や企画者の人の話も面白い。
各所にん?となるような誤字や3〜7部のスタンド紹介で間違っている記載があったりしたがコーエーの攻略本に馴染んだ身には其処まで不快には感じない。
まぁ、そもそも妄想(ゆめ)みる女性のための本、な感のあるユリイカなので“そういう”記載をスルーできれば中々に楽しめると思う。
まず、連載が20年も続いてたくさんのファンがいる作品を
いまさら「凄い」って評価する意味がわかんない。
アカデミックな人たちが理屈をつけてマンガを褒める
その構造自体がすげー古くさいっていうか、
まだこんなことやってんの?ってのが正直な感想。
鼎談での金田女史に批判が集まってるのは、
腐女子だからどうこうってことじゃなくて
要するに「勝手に妄想するのはいいけど、
荒木先生にお墨付きをもらおうとすんな!」って話なんだよね。
作者を目の前にして「私の妄想は正しいでしょ」
とやるのは、そりゃ反則だって。
他の執筆者も似たようなもので、ジョジョのような骨太の作品は
分析すればするほど作品の持つ魅力が薄れてしまうのに
そんなことには一切おまかいなしで滔々と自説を披露。
だから読んでいて「本当にジョジョが好きなの?」と思ったよ。
個人的には作品と自分の距離にこだわった草森さんの文章と
素直にジョジョと接した西島さんの「映画っち」と
ジョジョ愛をぶちまけたカジポンさんがオススメかな。
ジョジョ本だから星をつけるけど
いろんな人に小難しくジョジョを分析させましたっていう
ただそれだけの本。エライ人(?)のお墨付きが欲しい人はどうぞ。
レビューに多い「やおい話が気持ち悪い」というのは、少し荒木ファンにはあるまじき間違った解釈であると思う。「気持ち悪い」という言葉の中に、同性愛に対する差別的な意味が入っている気がしてならない。どのキャラクターに対しても、それぞれの生を懸命かつ前向きに生きようとする姿を描く荒木さんは、決して望まない解釈であろう。JOJOをずっと読んできた読者であれば、そういう差別は荒木さんの姿勢から学んでおくべきだし、もっと本質的な部分で金田さんを批判するべきだ。もしくは、この対談そのものが(もしくは他の論評でも)、荒木さんのそうした姿勢まで切り込めなかった理由を提示し批判するべきだと思う。
いずれにせよ、この雑誌の完成度は低い。だが、中には大変いい論評もあって、イズミノウユキさんの論文は白眉だ。逆に、Cellの表紙になるまでの話の内容に失望した人や、JOJO立ちやスタンド事典にあれほどページを割くのは首をかしげてしまう人も多かったのではないか。
もう一度きちんとした荒木論が出て、荒木さんと本気で勝負する面々(今回は執筆者の裾野が狭すぎる)をそろえる機会が生まれることを望む。
・画集やノベライズを買うような感覚で購入すると期待外れ。
・「一歩引いて眺めてみよう」という余裕があるのならば買うべき。
(以下、細かい批評)
この特集号には荒木ファン、JOJOファンを満足させるほどのクオリティは残念ながらない。インタビューに関しては、むしろ「荒木氏相手のNG事例としては貴重」とすら思える。さらに、いろんな批評が掲載されているので、中には酷いものもある。
本書の問題点として私が特に意識したのは、『総特集・荒木飛呂彦』と銘うちながら、内容がJOJOに偏りすぎていたことと、荒木氏の漫画のオリジナリティや、なぜ愛されるのかという魅力について真正面から(荒木漫画を知らない人にもわかるように)評していないことである。要するに、総特集と言いながら「誠実さ」「丁寧さ」がない。
ただ、ひとつふたつ、優れた批評に出会うことができた。イズミノウユキ氏「ヘブン・ノウズ・ハウ・ザット・ビジョン・イズ」(荒木氏のコマ割りやアングルに関する批評・図説)と、杉田俊介氏「奇跡について」(JOJOのテーマに対する独自の掘り下げ)はかなりよかった。特に前者は純粋に楽しめたし、コミックスの楽しみ方の幅を広げてくれた。
川島氏・市川氏編の「極私的スタンド事典」も、スタンド名をド忘れした時など、コンパクトで便利である。説明文の中にも笑えるものも多々あった。
私は買って損した気はしない。