価格 :\ 2,100 (税込)
著者 :吉丸 慶雪
発売日 :2005-03
発売会社 :ベースボールマガジン社
評価 :★★★★☆ ( 4 のレビューがあります)
ジャンル :単行本
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4583038372
合気についての科学的なアプローチというのはいくつかありますが、本書は“伸筋理論”を軸に、合気へのアプローチをしています。
本書でおもしろいと思ったのが、合気の定義です。
大体の書籍では様々な技巧や物理現象などからアプローチし、どのように無力化できるのかを説明していますが、本書では合気と技巧は別々に捉えられています。
つまり、合気そのものが意識的な技術であると定義がなされ、合気を表現するために伸筋理論がいる、という構造になっています。(意識は精神や魂とかではなく、一般的な意味で使っています)
著者自身は大東流の佐川道場元門人で直伝を受けた1人らしく、1つのアプローチとしては説得力もあり、読んでいて面白かったです。
ただ、「伸筋感覚は、それを知っている人から教わらないと分からない」とあり、それだと本書を読む価値があるのだろうか? つまり、この人の弟子が開く講習などに参加しなければならないのか?と思ってしまいました。
一方、合気系の武術を練習している初心者には大変参考になる助言(佐川氏の言葉など)があり、本書の前に出ていた「合気道の奥義」(こちらは合気を技巧的に説明)と合わせて読むと、非常に為になると思います。
個人的には、伸筋感覚を独学で磨く方法をもっと具体的に書いていただければ、という思いと、何回も出てくる文章が煩雑だと思い、少し厳しいかもしれませんが、☆3つとさせて頂きました。
ともあれ、知的な欲求には答えてくれる書物の1つです.一読をお勧めします。
合気道を永年やってきて、やはり植芝翁、佐川総範ような過酷な鍛錬と高い境地に達しないと実戦使用は不能と自分なり納得し、まるで禅の修行者のごとく一つの心身一如の道として、いにしえからの伝統と文化財的な自己財産として、座右の友として大切に慣れ親しんできた。これは習得した太極拳、形意拳にしても同じで、師からみて授けていただいたものが自己相応のものであり、使用できないのは自分の稽古不足と精神力の弱さであると、ずっと自分に言い聞かせてきた。
著者の一連の著作も、こんなインナーマッスル理論で解き明かせるほど具体的なものでなく、観念的な奥深いものであり、一生かかっても完成できないロマンと思いこんできた。
この本のメッソドを1年間、さほど熱心でもなく、なんとなく稽古に取り入れてきたがなんと四方投げにしろ、天地投げにしろ、質的に変化していくのが目に見えて分かった。
触合気がやすやすとできてしまったのには、自分でも驚いてしまった(著者は、あこがれと思うのも無理はないが本義ではないと述べているが、それも実感できた(実戦では使えない))。
佐川総範に師事して15年、ほか他の武道も研究し、佐川師の絶技をなんとか理論的に構成し、神秘性や迷信、妄想、閉鎖的伝統を打破したいとの著者の誠意が結実した、誠に珠玉の1冊である。
空想、ロマンに浸っていたい向きは、多分この理論を否定するだろう。
実践してはじめて、永い妄想から目を覚めさせられた。合気武道はこれからも発展、進化していくだろう。多くの骨董品収集的武術修業に疑問を呈している修行者には、福音となるだろう。
もっと若い時にこの本に出合いたかった。(不遜であるが、できるなら自分だけの秘伝書としてあまり売れてほしくないという思いも一瞬よぎるが、わがままか・・・・・。)
現総範のことはよく知らないが、著者の理論は確かに佐川師の強さの秘密を納得させてしまう体験的説得力がある。
私は、このご著書にいたって、ようやく剛弛緩力と柔弛緩力の違いとその関係についてすっきり理解できた。
柔弛緩力はまだ私には難しいが、剛弛緩力だけでもかなり技が変わるのでやっぱり凄いノウハウだと思う。
先生の最後のご著書になるということだが、非常に大きなものを残して下さった。
これは私の個人的な妄想かもしれないが、効果を実感できた今はこう思う。
「合気を体現できる人ほど、この著書を無視したり、否定的なコメントを残すのではないだろうか?」と…。
いままでの集大成。
「秘密主義であった合気の術を誰もが学べるようにする」というのが、吉丸師の真骨頂。
それゆえ「合気道の科学」に始まって、秘密のベールを科学的に論理的に剥ぎ取ってきたわけである。
この著書で説く「弛緩力」とは合気道の「呼吸力」に他ならないのだが、合気道を闇雲に何十年稽古しようとも、「これが呼吸力です。このようにすれば身に付きます」と言える師匠に会ったことがない。それもそのはず、合気系武道からは、合気の術は故意に失伝されているのである。先生が知らないものを、教えられるわけがない。なぜなら、後世も自分がカリスマでいるために失伝したのである。みんなあえて手品のタネを明かさずに死んだのですね。タネがバレてしまったら、超常的ハンドパワーのおじちゃんも、いわゆるただの手品師に変わってしまうわけ。だから失伝した。
この本のすごいところは、その呼吸力、合気の獲得方法が、ちゃんと順を追って練習すれば獲得できるように書かれているところ。
吉丸師のやっておられる合気錬体会(http://homepage2.nifty.com/aiki-rentai/)に問い合わせてみると、この本には、元々DVDが付録で付く事になっていたが、本の単価が上がるので、中止になったのだとか。手続きをすると、練習方法が親切に出ているDVD3枚組みを頒布してもらえるから問い合わせてみることをお勧めする。
実際に見てみたが、驚異的に上達する方法が説明されていた。すごい。
もう、ご病気で指導はされないとのことだが、お元気な時の指導風景は必見。
合気は元来独り稽古が中心になるそうだから、先生自身が分らないような道場に行くくらいなら、このDVDで徹底練習したほうが良いかもしれません。