価格 :\ 2,520 (税込)
著者 :マーク・プレンスキー, 藤本 徹
発売日 :2007-07
発売会社 :東京電機大学出版局
評価 :★★★★☆ ( 2 のレビューがあります)
ジャンル :単行本
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4501542306
本書では、テレビゲームで勉強できる、ということを説明している。
「テレビゲームは遊ぶもので、教材ではない」と私自身思っていたが、本書を読んでゲームをやると、こんなことが勉強できるのかと驚いてしまった。
本書で扱っているゲームはほとんど、普通のゲームである(ただ、欧米系のゲームが多い)。教育用に作られたわけではない、市販のゲームで子どもたちは毎日勉強しているのだ。
長い間、テレビゲームは「悪いもの」とされてきた。良い面も沢山持っている。親や教師に送る「ポジティブな」ガイドブック。
本書は、まずテレビゲームについての懸念を示す親に対し、それらの原因となる害悪論の問題点、それが発生するメカニズムを示し、続いて、実際にゲームをやっているときに、プレイヤーがどういうことを考えているのか、どういう長所があるのかを示す。そして、最後に、それらを踏まえた上での付き合い方について提案をする、と言う構成。
本書の場合、アメリカで発行された書の翻訳と言うことで、日本とは事情の異なる部分は多くある。ただ、その辺りを差し引いても、本書を読んで参考になる部分は多いだろう。
親の世代が「ロック音楽」などを通じて新しい価値観、文化を作り出していたように、子供たちもまた、ゲームを通して独自の文化を作り上げている。ゲームを中心として、その周囲の世界に興味を持つ動機付けになることも多いし、その世界に親や教師が自ら飛び込んで行くことで、子供とのコミュニケーションを図ることも出来る。また、それを利用した教育の機会を作ることも可能である、と言うのは日米を問わずに適応できるだろう。
本書の場合、最初にも書いたように「ポジティブ」な面を強調するあまり、「どちらともいえない」と言うものをやや強引に「良いこと」と結論付けるような部分がある(害悪論は、同じものを、悪い部分と強調しているが)。新しい文化が出来ているのだから、それを理解し、それにあわせることで効果的な教育が出来る、と言うのは賛同できるが、それまでのものをただ「古く、あまり良くないもの」としてしまうのはちょっと抵抗を覚える。
その辺りについては少し、異論はあるだろうが、ゲームの持つ可能性、ゲームと付き合い方に悩む親、教師などと言った人にとっては十分なヒントになるのではないかと思う。