価格 :\ 1,680 (税込)
著者 :立山 雅夫
発売日 :2005-02
発売会社 :同友館
評価 :★★★★☆ ( 3 のレビューがあります)
ジャンル :単行本
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4496038242
著者は芋焼酎に魅せられ、80以上の蔵を取材したジャーナリスト。とはいえ、むしろ初心者に、芋焼酎を楽しんでもらうというところにポイントが置かれている。あくまでも「芋焼酎の楽しみ方」から入り、続いて芋焼酎に情熱を傾ける人々を紹介している。通常の入門書であれば、最初に来るべき「芋焼酎の造り方」は第4章に置かれている。まさに、飲み手の心理に合わせた構成といえるかもしれない。
逆に言えば、「どの芋焼酎がうまいのか、手っ取り早く知りたい」という、マニアックな飲み方を落ちつかせようという事でもある。焼酎の楽しみ方として、何対何でお湯割りにしたらいいかということから始まり、かき混ぜる方法にまで話が及ぶあたり、こちらの気持ちをどんどん変化球でかわされている気すらする。さらに、タイプ別分類、ラベルの見方、そしてようやくおすすめの芋焼酎ガイドとなる。
とはいえ、やはり読みがいがあるのは、第2章と第3章。芋焼酎に情熱を傾ける蔵元やそれを支援する木桶職人、農家などの話を読むと、芋焼酎の背後にあるさまざまな物語が姿を現し、味わいをいっそう深いものにしてくれる。さらに、芋焼酎の歴史や麹などに話がおよぶと、芋焼酎の意外な姿を知ることが出来る。芋焼酎が米焼酎や清酒と異なる、庶民のための酒であったこと、最初は清酒に使われた黄麹だったものが、腐敗防止のために泡盛の黒麹にとってかわり、やがてそこから白麹や新たな黒麹が生み出された事。何より、度重なる酒税の増税にもかかわらず、いっそう元気な産業となっているという事実。
ところで芋焼酎ブームはいつまで続くのか。著者はいずれブームが終るが、同時に浸透・定着するとも言う。確かに、米や麦と異なる、芋独特のやわらかい味わいを持った焼酎はブームの結果として人々に理解されたといっていいだろうし、それゆえの定着もうなずける。これは、酔えればいいという甲類焼酎とは異なる流れだと思う。その意味で、芋焼酎ファンと日本酒ファンがそれぞれのお酒の間で行き来してくれればとも思う。
それにしても、芋焼酎にとって、楽しみ方をすんなりと語れる著者の立山氏の存在は意義があることだろうし、今度は、「日本酒の楽しみ方」をメインに据えた本が登場して欲しい、とも思うのであった。
芋焼酎に絞ったのが正解ですね。洋酒では原材料が違えば
別な酒なのに、「焼酎」で芋も米も麦も一緒にしている本には
抵抗がありました。蔵元からティスティングまで豊富なデータと
写真があり、次は何を飲んでみようかという際の指標になり、
又、銘柄に対する同じようなコメントが多い類書の中では
著者の実際の感想も聞け、ただカタログを並べているだけのような
本とは一線を画するものがあります。
著者の圧倒的な取材量をベースにした「芋焼酎人気の本当の秘密」をさぐる大変参考になる一冊。全編わかりやすく解説されており、本格焼酎初心者から、販売するプロの人まで幅広く勉強できる一冊でもある。焼酎文化を掘り下げ、風土・時代背景にも触れながら焼酎本来の飲み方=楽しみ方まで解説しており、大変貴重な指南書でもある。