価格 :\ 600 (税込)
著者 :養老 孟司, 甲野 善紀
発売日 :2003-02
発売会社 :光文社
評価 :★★★★☆ ( 8 のレビューがあります)
ジャンル :文庫
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4334782035
江戸時代から肉体感覚を失ってしまった日本人。現代日本では肉体を取り戻すためには、戸塚ヨットスクールなみにボコ殴りして痛みを直に知るところから始めなくてはいけない。
…それがいつか読んだ養老さんの主張だった(本書にも書いてある)。だけどそりゃ手段としてあまりに情けないし、合理的じゃなさすぎる(怪我したり死んだりもするし)。痛めつけられることで肉体感覚がつかめたところで、それだけでは発展はみこめないだろうし。けど、他にどういう方法が?
その答えの大きなヒントは「古武術」にあった!実践し、それについて考え、それを実践し、また頭で考えて、実践し身につけるという極めて理論的なやりかた。文武両道とはこのことだったとは。
ここにある方法論は、私が若い頃、大嫌いだった反復練習やいびり、精神主義とはかけ離れたものだ。それらが日本的やり方かと思ってしまっていたが、精神と肉体が切り離されず両輪のように発展していくのが本来のありかたということが実際の武術家としての説得力ある言葉で説明され、目からウロコが落ちた。
若い時スポーツをやっていた時期にこれを知っていたら…と思う。だがこの本を読んだことで、これからまた一層スポーツが好きになりそうだ。
様々なお題を、二人が対談形式で考えを進めていっている本。
ある事柄についても、両者の意見や見解が読めるのでひとつぶで二度おいしい。
日本を世界に発信していくような仕事の人にはいろいろ参考になる視点があると感じた。
歴史的にも日本人を振り返る部分も多くある。
また、心と体の両輪としての関係性を深く掘り下げているので、そういった事に興味がある人は読んでみると良いと思った。
古武術や日本人を考えることで、新たな物の見方を与えてくれる良書だった。
この本は、甲野善紀氏と養老孟司氏による対談形式になっていて、副題通り「日本人にとって身体とは何か」ということが、主に古武術と解剖学の観点から論じられています。2人とも難しいことを話しているのですが、対談形式なのと、博識な両氏が良い例を引用しているので、分かり易く、読んでいても飽きません。
「タメをつくると"居つい"てしまう」や、「身体の各部をバラバラにして、別々に独自の動きをするようになると、さらに微妙な気配の出にくい動きが可能になる」という説明は、大発見をした武術家にしか言い出せないような事実のように感じます。
どうして、学内の最高権威者が、最高学問である哲学者と議論をしないのか?彼のトートロジー『同語反復』に過ぎない脳機能論が、論破されるのが恐ろしいのか?
雑知識を披瀝されても、軽蔑を呼ぶが、敬意は寄せ付けない。
自分より低い読者しか寄せ付け無い人物だな、と思うだけです。
「自分より低い読者にしか読まれない物は、腐敗するしかない」”困難な自由”レヴィナス著作の中の言葉です。…崇高さとは、彼には無縁らしい。
この本を読んで、なぜ、古武術の甲野善紀の対談の相手が、解剖学の養老孟司
なのかがやっと理解できた。アプローチは全く違えども、「人間の体」につい
て探求している、という面で共通しているわけだ。この本では、甲野善紀が自身のアプローチを養老孟司に説明するような形を取
っているが、決してそれだけでは終わらず、養老孟司が鋭い突っ込みで返している。面白い。