価格 :\ 399 (税込)
著者 :綿矢 りさ
発売日 :2005-10-05
発売会社 :河出書房新社
評価 :★★★☆☆ ( 38 のレビューがあります)
ジャンル :文庫
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4309407587
「私、みんなと同じ。こんな生活続けていていいのかなぁ」
大人はこれを贅沢な悩みというのかも知れない。食べるものに困らず、戦争による恐怖にも、労働の苦しさも、不倫による苦悩も、あるわけではない。しかし、苦悩の捕らえ方は人それぞれだ。ある人にとってそれはすべてを投げ出すほどの絶望となることもある。
インストールの文体は非常にポップでピュアだ。(悪く言えば世間知らずでナイーブだ)。ただ、若い世代のそうした「限りなく軽くポップな絶望」はこの文体だからこそ表現できたものであろう。
絶望からの回復過程も場当たり的で軽い。しかし、現代という「軽い」時代の雰囲気をうまく捉えている、ともいえる。
軽く読める。作品の長さも短い。ネットチャットという舞台設定も、今から見ると安易だ。でも何か引っかかるものがある。きっとそれがこの作品の魅力なのだろう。
高校生の書いた体当たりな作品。
大きな賞を得るまえに読みましたが、“純”がいっぱいな作品です。
自分が高校生だったら、ここまで書けるだろうか。
文学賞のあとというのは、どうしても先入観が入るので客観的な評価は難しいですが、私は十分価値ある作品だと思う。
チョット具合の悪い人は読むだけでシャキッとなるかもしれない。
インストールとYou can keep it.、どちらも決め手を欠く作品だと思う。
ただ弱冠17歳でこれだけ繊密な作品を書いた、また世に送り出したという点は凄い。
17歳だから書けた作品といってもいいかもしれない。
これからの彼女の活躍を期待の意味も込めて厳しいですが星2つ。
綿矢りさの小説を読んだのは本書が初めて。
感想は、「リズムの安定した文章、豊富すぎる語彙、やっぱり現代っ子だなあ」の3点。確かに文章力はある。
が。
この『インストール』と『You can keep it.』どちらとも、結果として何を言いたいのか、まったくわからなかった。
解説で高橋源一郎氏は、やはりその“文章の完璧さ”について言及し、その点において「天才」と評している。しかし、小説の根本的な魅力というのはやはりその作品全体に流れる“精神世界”にこそあると思っている私にとって、綿矢氏のような“文章そのものの良さ”に魅力が終始する作家には疑問を抱いてしまう。
作品自体にどうも深みがないというか、精神性の薄さが思われるため、星は二つ。濃いものを求める人には物足りないのではないでしょうか。
遅ればせながら、読んでみました。受賞時のセンセーションが、時間を経てみると、別にどうと言う事はない、というパターンでした。新人賞で、才能を発掘するというのが、作家誕生の普通のあり方ですが、それで、本当に生き残るのは難しいのが現状。もちろん、稀有の才能が、そう易々と出てくる訳はないですが。。。ただ、この年の賞レースを見ると、金原ひとみがもう一人いて、何か、若さで売ろう、というあざとさが見えたような気もします。さて、前置きが長くなってしまいましたが、(この前置きで評価も大体わかってしまいますね)、今読むと、この作品が、長く残るような種類のものでないことは明白です。ネットの世界の用語を、わざわざ説明したりする文などが出てくるのも、もう、今では、誰でも知っていることで、とても陳腐。主人公と少年の造形も、とても浅く類型的。作者をTVで見たりすると、何か、真面目な良い子が、一生懸命、斜に構えた“イマドキのコドモ”を作り出した感があります。不登校の子に対する、母親や教師の対応も、全く甘いもので、面白くない。以上大人の意見でした。