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元刑務官が明かす死刑のすべて

元刑務官が明かす死刑のすべて

元刑務官が明かす死刑のすべて価格    :\ 600 (税込)
著者   :坂本 敏夫
発売日  :2006-05
発売会社 :文藝春秋
評価    :★★★★☆ ( 15 のレビューがあります)
ジャンル :文庫
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN   :4167679876


「元刑務官が明かす死刑のすべて」

のカスタマーレビュー

★★★★★ 

筆者は死刑反対派だが、肯定派も認めた公平感のある本

 前半はよくある単なる死刑反対派の読者洗脳本かと誤解を受けやすい内容でしたが、中盤からは実経験に基づいた小説仕立ての、どうしようもない死刑囚や、演技で死刑逃れした人の記述等があり、あとがきでは、筆者は死刑反対派であることを明言したのに関わらず、賛成派の学説にもきちんと触れており、筆者の個人的意見を読者に押し付けない良書と思いました。

★★★★☆ 

気が重い・・・

 終始死刑について書かれているので、読んでいて非常に気が重い。集中し、エネルギーを使うので覚悟して読み進めていただきたい。刑務官の目線から死刑を描いていて、リアルさはこのうえない。

死刑の過酷さ、悲惨さを知ったからといって、世の中の犯罪が抑止できるかわからない。また、被害者感情が緩和されるのかもわからない。ただ、死刑制度に目を背けて社会を生きるには、図々しさを感じ、あまりに陽気で、危険な国民感情かもしれない。

司法にもっと興味を持ち、国民が成熟する必要があると思う。



★★★★★ 

権力が人を殺すということ

 懲役刑の延長が死刑でない訳で、腕一本とか眼玉2個とかで罪を購うことがどうかと。
被害者の遺族が極刑を望む気持ちはやっぱり犯罪被害者でないわが身にはよくわからない。刑を執行する刑務官の、家族にも近所の人にも言えないようなそういうことって何とかならないのかと。
行政の力が強すぎる近代国家においてはやはり死刑はよい刑罰ではないように思いますが。

★★★★☆ 

元刑務官だからこそ書けた

  著者は元刑務官なので、さすがに細かいところまでよく描かれている。

死刑が決まってから、何年も死刑囚とコミュニケーションをとっていれば、刑務官にも親しみが沸いてくるようだけども、その死刑囚の死刑を執行するのもまた刑務官であるところが、一番つらいんじゃないかなあと思う。

これが「死刑のすべで」ではないだろうけど、死刑制度の是非を論じる際には必ずこの実際に執行する「刑務官の目線」というものが必要になってくるだろうから、それを知りたい人にとってはちょうど良い本だと思う。

★★★★★ 

元当事者だからこそ深くメスを挿入できた書物

 私達一般人は、拘置所はおろか、刑務所内の実情とは縁が無く過ごす事が多い中、本書は更に死刑囚にスポットを当てた快挙の書と見るべきだろう。重要な部分は、元刑務官という当事者が書いた部分が大きい、大抵この手の書物だと自分の勤め上げた愛着から保身に回り、擁護的な文になりがちだが、本書はそれとは全く相反した内容である。例えるなら企業内告発に似た雰囲気が掴み取れ、そういう意味では快挙というべきだろう(但し語り口の雰囲気から少々デフォルメ感も感じられるので読み手によって情報精査して読む必要もある)。しかしながら、その多少の誇張感故に中盤からはグイグイとひき込まれる内容でもあった。

一番大きいのが人間模様だろう。死刑囚でも様々な人々にスポットを当て、その人種も様々。本書を読んで驚いたのが、全てとは言わないが一部の死刑務所では全く統制が取れておらず、房内でAV鑑賞会を行うほど規律は乱れ、囚人が刑務官を顎で指図し、強迫するような天地逆転の所もあるようだ。対して刑務官の世界では、完璧なまでの地位ピラミッドが形成されており、出世や銭で歪んだ見方しか出来ず、囚人の扱いを等閑にしてしまう程の状態にもなっているようだ。そこで本書中盤では、上記の「囚人の暴走」と「刑務官の腐敗」が焦点となって話が進む。この当りが一番のハイライトと思われる。いわゆる「叩き上げ」ノンキャリアの刑務官が荒れた刑務所に送りこまれるという内容だ。話しとしては小奇麗だが、実際の所叩き上げ潰しのために送りこまれた実体が、腐敗を裏付けている。

本書を読む事で更にこの国の「終身刑」が無く、実質懲役20年の「無期懲役」と「死刑」の圧倒的な刑期の開きを実感することにもなった。この国には死刑議論を語る前にまず、終身刑を導入する必要があるかもしれない。

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