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夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)価格    :\ 460 (税込)
著者   :シェイクスピア, 福田 恒存
発売日  :1971-07
発売会社 :新潮社
評価    :★★★★☆ ( 6 のレビューがあります)
ジャンル :文庫
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN   :410202008X


「夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)」

のカスタマーレビュー

★★★★☆ 

今の季節にぴったり

 妖精の女王タイターニアと、人間の世界の恋人たちに
妖精パックが魔法をかけるが、手違いで奇妙なことになる「夏の夜の夢」と、

追い落とされたかっての王が、元の地位につこうと魔法をふるい、
その娘と、互いにひとめぼれした王子の恋が
すべてを大団円に導く「あらし」

二話とも、人間の世界と魔法や妖精の世界がまじりあう幻想的な雰囲気と
登場人物たちの心情のリアルが
美しい文でしあげられています。
ちょっと強引な大団円ですが、あらしのラスト、エピローグは
ちょっとした仕掛けになっていて、すごく好きです。

今の季節に読みたい一冊です。

★★★★★ 

「身の自由」とは

 『夏の夜の夢』は素敵な戯曲です。四人の若き
恋人達のドラマ、妖精たちの幻想的な物語、そ
して職人達の芝居修業という、三つの筋が夏の
夜の森の中で展開します。
タイターニアに仕える妖精、豆の花・蜘蛛の巣・
蛾・辛しの種が可愛い。
読み終えると「ハーモニー」の感覚が、読者の
心を満たし、「幸せ」を実感させてくれます。

子供の頃、『あらし』の和訳を読んだ時、ラスト
でプロスペローが魔法の杖を折ったことに、「何
故?」と思ってしまいました。
「昔の悪事を許された人たちが、これから翻意し
たらどうなるだろう!近く結婚するミランダと
ファーディナントの為にも、魔法の杖を持って
いるべきでは!」等と考えてしまったのです。
今思うと、当時の自分の感想が恥ずかしいです。

プロスペローは自分の意思で杖を折った。
魔法の使い手でもなければ、妖精を自在に動かす
存在でもなく、有限な存在である自分自身を受け
入れたかったのだとしみじみ実感しました。
そこに彼が最後に求めた、「身の自由」があった
のだと思います。

作者シェイクスピアが単独で書く戯曲としては
これが最後。プロスペローに自己の心境を託した
ことが窺えます。

★★★★☆ 

妖精の信じられないリアリティー

 「夏の夜の夢」にも「あらし」にも、妖精が出てくるが、
それが現実にいるかのようなリアリティーがある。そ
して、どちらの話もハッピーエンドで終わるのが、う
れしい。シェークスピアの目には、妖精が、魔法が、
見えたのではないかと思ってしまうほどのできばえである。

★★★★★ 

一番好き!

 シェイクスピアの作品で最も好きなのが「夏の夜の夢」。
先ず、タイトルが最高に良い。何か幻想的でハッピーで、
胸を締め付けるような爽やかな甘美さを感じさせてくれる。
登場人物たちが妖精なので、多くの台詞が自然に幻想的になっており、
聞いているだけで、心ときめく。詩情豊かな幻想喜劇。
そして、そこから紡がれるふくよかな台詞が全く陳腐にならず、
見る者の心にすーっと優しく染み入ってくる。
読む度に、幸せな気分になる珠玉の作品だと思う。
チェスタトンもこの作品が大好きだったようだ。
花々の甘い風のなかに踊るキャラクターや台詞たちは、
何か抱きしめたくなるような懐かしさも感じさせてくれる。

福田恆存氏の訳は素晴らしく、
「待つ身の楽しさもあと四日、そうすれば新月の宵が来る。
かけてゆく月の歩みの、いかに遅いことか!」と始まると、ドキドキする。
「露をさがしに行かなければ、そうして桜草という桜草の耳たぶに、真珠の玉をかけてやらなければ」
「キューピッドの矢に射抜かれた紫の花の滴」
「おい、音楽だ。〜この大地のゆりかごを、そっとゆすってやるのだ。〜それ、雲雀の声が朝の歌を」
最後はパックが「ちょいと夏の夜のうたたねに垣間見た夢幻に過ぎないと」
「いずれパックが舞台でお礼をいたします」と言って消えていく。

「あらし」も良い。さすがシェイクスピア。
ただ、「夏の夜の夢」が、私にとっては素晴らし過ぎる。
是非ともオススメの宝石。

★★★★☆ 

解説もくわしい

 少し前ハリウッド映画にもなっていた『真夏の夜の夢』(ただし福田恒存氏は
夏至の前日という舞台設定、そしてイギリスの夏は過ごしやすい陽気であるこ
とを考え合わせ、「夏の」夜の夢にしている)&シェイクスピア晩年の傑作、
『テンペスト』をおさめた文庫。
一見、異様な取り合わせにも思えるが、両作品とも、妖精が出てくるなど多少幻想的なところが共通しているともいえよう。
妖精パックの手違いで、恋人たちがごちゃごちゃになってしまうMidsummer
Night's Dream、そして領地を追われたミラノ公プロスペローが、自分と娘
ミランダを追いやった者たちを乗せた船を難破させるところからはじまる『あ
らし』、どちらも面白く読める作品。結局、夏の夜の夢の恋人たちはあれで良かったのだろうかとか、プロスペロー達の和解が微妙に不完全だったり、と
いうところもあるが、短くて読みやすく、基本的にはハッピーな物語である。
巻末に解題つき。但し、字がとても小さい上、ところどころブレたようになっ
ていたりして、体裁上は読みにくい。

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