価格 :\ 1,260 (税込)
著者 :小林 美佳
発売日 :2008-04-22
発売会社 :朝日新聞出版
評価 :★★★★☆ ( 11 のレビューがあります)
ジャンル :単行本
可能時期 :通常24時間以内に発送
ASIN :4022504218
■ 【四駆に引きずり込まれる】
20代の著者が、通勤帰路途中で四駆車の運転手から
『道』を尋ねられ、気が付かない間に自転車のバッグ
を別の男に車内に奪われ、取返そうとしたら車内に引
きずり込まれ、レイプされてしまった。レイプされて
いる時の状況、直後の人間の心理状態、頼みとする警
察署の対応、その後の著者自身の生活再生への取組な
どが、赤裸々に描かれているノンフィクションです。
■ 【自身との葛藤】
自身の屈辱と、家族すら想像の及ばない世界に引きず
り込み、被害者としても世間では、認知されない差別
的な立場に愕然とし、絶望感に打ちのめされる。しか
し、著者は、立ち直る努力をして、その後、ボーイフ
レンドも出来、結婚すら試みている。しかし、レイプ
による心と体の傷は、癒えることなく結婚生活を続け
ることを困難としていたことが語られています。
■ 【戦争時のレイプ】
人間同士なのに男女の心理状態は、微妙に違っていま
す。そこが又、互いに求めあう所以ともなっているの
ですが。男性の小生でも、正直、レイプをする男の心
理は理解出来ません。しかし、昔と言わず近時の戦争
でも、レイプは、相手の国へ侵入し、日常茶飯事であ
るし、従軍慰安婦ある軍隊ですら、男性群の性のはけ
口としてレイプは止められていません。本当に、悲し
いかな、どうしようもない男性群がいるようです。
■ 【想像力の欠ける、悲しい男性へ】
そのレイプが、相手の女性と周囲を巻き込み、如何に
辱め心の傷を与え、挙句は、時には自殺に追い詰める
惨劇であることは想像に難くはありません。黙して没
していく有名人もいる中で、無名の乙女が声を挙げ白
日の下に現したメッセージは、想像力に欠けた男性に
対するものです。本著書は、日本国のみならず、世界
の累々とした「声なき声」を現した意味で、女性を代
表しての悲しくも勇気ある『世界初』の告発です。
十年前に出た緑河実紗の『心を殺された私』にショックを受けた私からすると、この本は、さして新味はない。活字の組も大きく、ざっと見るだけで内容は分かる。この種の本を読んだことのない人には意義があるかもしれないが、私なら緑河の著書を勧める。
「同情を買いたくない」という著者の語を信じて、書籍としての評価を下した。
タイトルと表紙を見て、これは読まなければいけないと思いました。年に一度あるかないかのことです。
同情ではなく理解して欲しいという著者の言葉は、簡単そうに見えて実際には難しいのかもしれません。
でも、覚えておかねばならない言葉です。
この本を読むきっかけはTVに小林さんが出演されてたことでした。
勇気ある女性の発言に注目しました。
人はやっぱり当事者になってみないとわからないものです。
時間が解決できる問題と、時間では解決できない問題があるということ
時には死ぬよりつらい思いを、被害者がしなくてはならないということ、
本当によくわかりました。高校生の子供に読ませたいと思いました。
私は、性犯罪に対しての罪の評価、見方がホントに変わりました。
とかく男性は性犯罪に対し、自分もそうですが、非常に鈍感で無神経です。
相手の感情(嫌悪感)に対して、想像力の乏しい、大変鈍感な人が多くなって
いると思います。この本が多くの人に読まれることで、性犯罪も含めて犯罪
そのものが少なくなることを願ってやみません。
本当に小林さんの勇気には本当に頭が下がります。ありがとうございました。
事件後の事情聴取、公判中や味方になってくれるはずの家族や親せき、恋人、友達と二元関係の数ほど第2、第3の精神圧迫が繰り返される。
たった一つの事件。それも性的な攻撃がこれほど人間の人格に深く影響するのかと思うとゾッとする。
一度の事件が繰り返し一人の人間を苦しめ続ける構図がはっきり書かれている。学術書や精神医学の書物などで書かれるような端的であったりカウンセリング後の第3者の視点で描かれる内容と違い生々しい。
厳しい状況の中、必死に現実的折り合いを見つける過程や性的犯罪被害者が経験するお粗末な行政対応などに触れている部分が興味深い。これを切っ掛けに少しでも世の中が良い方向に変わればと願わずにいられない。
最後には性被害は女性だけではなく男性にも少なくないということがほんの少しだけ書かれている。付き合っている女性に好きに体を弄ばれれば、それはもう立派なデートレイプだろう。そして男性被害者の場合は、事件の絶対数の少なさもあるだろうが深刻比率はずっと少ないであろうことは想像に難しくない。少年が被害者の場合は心が未成熟なことも加わり一生ものの傷が残ってしまう。
性的な分野の教育が遅れている日本では、無知さがその原因のひとつと考えられないだろうか。喜びに繋がらない性行為はすべて暴力である。相手が裸でも誘いに応じない場合は「オアズケ」が当たり前なのだ。嫌よ嫌よも好きのうち。オマエダッテカンジテイルンダロウ。といった古臭い価値観が早く一掃されることを願う。